ネットの店が商品を送ってインフルエンサーに PR を頼む時の進め方

窓際の机で、届いた箱を開けながらスマートフォンで撮影している女性

ネットの店(ネットショップ)の PR では、商品をインフルエンサーに送り、使った様子を投稿してもらう頼み方がよく使われます。来店が要らないので、遠くの人にも頼めます。この記事では、送る前に決める事と、気をつける事を説明します。

タイアップ投稿から買う人は少なくない

株式会社エクスクリエの調査(2025 年 7 月 31 日・全国の 15〜69 歳の男女 2,400 人・Instagram についてのアンケート)では、保存したタイアップ投稿の商品を実際に買った事がある人は 55.2% でした。

これは「投稿を保存した人」の中での割合で、投稿を見た人の全体の割合ではありません。それでも、気になって保存した人の半分以上が買っている事は、ネットの店にとって PR 投稿を頼む理由になります。

送る前に決める事

決める事例
送る商品新商品・定番の商品など。色や大きさが選べる物は、先に希望を聞く
商品代と送料商品は提供(返品は不要)・送料はお店が持つ
投稿の形Instagram のリール 1 本・開封の様子のストーリーズ など
投稿の締め切り商品が届いてから 14 日以内 など
紹介してほしい点使い方・大きさ・手触りなど。感想の中身は決めない
PR 表記投稿に「PR」などを入れてもらう
二次利用投稿を商品ページに使うか。使うなら範囲と期間
報酬と支払いの日商品の提供だけか、報酬も払うか

商品を送る時は、お店の名前・連絡先と、上の条件を書いたメモを同封すると、受け取った側が迷いません。

商品を送るだけでも PR 表記が要る事がある

消費者庁のステマ規制の運用基準では、広告(事業者の表示)になるかを判断する「対価」は、お金に限らず、物品やその他の経済上の利益も含まれるとされています。商品を無償で提供して、お店の方針や内容に沿った投稿をしてもらう場合は、広告に当たります。一方で、投稿の内容がインフルエンサーの自主的な意思による場合は、広告に当たらないとされています。

消費者庁の Q&A では、インフルエンサーに商品を無償で提供して「使用後の感想を投稿してください」と頼む場合、提供の目的・やり取りの内容・今後の取引の可能性などから、自主的な投稿とは認められないと判断される事があるとされています。報酬を払わず商品を送るだけの頼み方でも、紹介してほしい点を伝えて投稿を頼む以上、PR 表記を入れてもらうのが安全です。書き方は「PR 表記(ステマ規制)の書き方」にまとめています。

化粧品・健康食品は言える事に決まりがある

化粧品・医薬部外品などの広告には、薬機法(医薬品医療機器等法)にもとづく「医薬品等適正広告基準」があります。厚生労働省の解説では、この基準はウェブサイトや SNS などすべての媒体の広告が対象です。依頼した投稿も広告に当たり得るので、次のような表現を投稿に入れないよう、頼む時に伝えておきます。

気をつける表現解説で挙げられている例
効き目や安全を保証する言い方「根治」「全快する」「副作用の心配はない」
最大級の言い方「最高のききめ」「無類のききめ」
使用前・使用後の写真承認された効能の範囲を超える効果を思わせる物は認められない
使った人の体験談「私も使っています」などの体験談は、客観的な裏付けにならない

化粧品が言える効能は、厚生労働省が定めた範囲(「皮膚にうるおいを与える」など)に限られます。商品ページに書いていない効能を、投稿で言ってもらう事はできません。健康食品は薬機法ではなく、健康増進法と景品表示法の決まりで見ます。いずれも、商品ページで言える範囲を先にインフルエンサーに伝えておくと安全です。

住所を受け取る時の決まり

商品を送るには、インフルエンサーの住所と名前を受け取ります。個人情報保護委員会のガイドラインでは、商品の販売・提供にあたって住所などを受け取り、その利用目的がその商品の提供だけである場合は、取得の状況から目的が明らかなので、利用目的の通知などは不要とされています。

一方、受け取った住所を、後日の案内の送付など、発送以外の目的にも使う場合は、受け取る前に利用目的を示す必要があります。発送だけに使い、終わったら消す、と決めておくのが簡単です。

頼む流れ

  1. 送る商品・投稿の形・締め切り・PR 表記・二次利用・報酬を決める
  2. 商品に合う人を探し、条件を書いて依頼する(例文は「個人のインフルエンサーへの PR の頼み方と例文」)
  3. 住所を受け取り、条件を書いたメモを同封して送る
  4. 届いた事を確かめ、投稿を待つ
  5. 投稿を確かめる(PR 表記が入っているか・言える範囲を超えた表現が無いか)

まとめ

  • 保存したタイアップ投稿の商品を買った事がある人は 55.2%。商品を送る PR はネットの店に合った頼み方
  • 商品を送るだけの頼み方でも、PR 表記を入れてもらう
  • 化粧品などは言える効能の範囲を先に伝える。住所は発送だけに使う

出典